ボトックス注射は、美容医療の入門編のような存在で、ただ注射するだけで色々な美容効果を得ることができます。
しかし、ボトックス注射は筋肉に作用するため、ボトックスを受けたことがない人は怖いイメージを持っているかもしれません。
今回は、ボトックス注射の中でも特にエラボトックスの副作用について、お伝えしていきます。
エラボトックスの副作用
ボトックス(ボツリヌストキシン注射)は、様々な治療に用いられます。
美容医療部門では、シワが寄らないようにするために筋肉の中に注入し、筋肉の動きを止めるという用途で使用されることが多いでしょう。
シワ治療と同じくらいに人気があるのが、ボトックスにより筋肉の動きを止めるのではなく、機能を阻害して筋肉を退化させ、見た目を変化させるというものです。
その中でも最も多いのが、エラのボトックス注射です。
1回の注射のみで劇的に輪郭を変えることは難しいかもしれませんが、複数回繰り返すことにより、かなりの変化を感じる人が多いです。
ただし、輪郭に影響しているのが筋肉である場合のみ効果を感じることができます。
骨格や脂肪によりエラが張ったように見えるのであれば、ボトックスは適用外となってしまいます。
他にも、皮下の浅いところに注入することで、肌のハリを出したり、毛穴を小さくしたりといった美肌に導くための治療にも用いられます。
美容以外ですと、例えば眼瞼痙攣や歯の噛みしめなどに利用されることがあります。
いずれも筋肉の働きを弱めて、生活に支障をきたす症状を押さえようとするものです。
こういった治療に用いられる時の副作用としては、それぞれ違う形で出るものの、そのほとんどは筋肉の過度な脱力です。
薬剤の量が多すぎたり、注射を打つべき場所を外してしまうことにより、想定外に筋肉が動かなくなることで、患者が不利益を感じるということです。
今回は、エラボトックスの副作用による症状を詳しく見ていきましょう。
噛みにくくなる
エラボトックスが効きすぎた場合、噛むという動作に違和感を覚えたり、食べ物を咀嚼しにくくなってしまいます。
例えば口が開いたままになったり、口が閉じなくなって唾液がダラダラ垂れたりするようなことは、エラボトックスではあまりありません。
しかしながら、毎日使う筋肉なのでボトックスの効果が切れやすく、また現在の状態に慣れることにより、違和感が無くなることもあります。
あまりに違和感が強い場合や、食事を摂ることができない、会話ができないなどの場合は対処が必要ですが、そこまでの状態になる可能性はそんなに高くはありません。
メリハリのない輪郭になる
筋肉によりエラが張っている人がエラボトックスを受けると、その効果に感動し、「もっともっと」と欲が出てくることがあります。
ボトックス注射というものは、受け始めはある程度一定の間隔で繰り返す方が効果的ですが、しかし筋肉が退化して小さくなってからは、そこまでの頻度で受ける必要はなくなります。
しかし、欲が出て、あるいはまたエラが張らないか心配して受け続けてしまうと、輪郭にメリハリがなくなり、もったりとした印象になってしまうことがあります。
このようなメリハリがない輪郭になってしまっていることに、気づかない人は多いです。
きちんと主治医に相談し、受ける頻度や注入量は指示に従うようにしてください。
たるみが出る
エラボトックスは、エラの筋肉を強制的に動きにくい状態にし、その結果筋肉をボリュームダウンさせて輪郭をスッキリさせたり、小顔にする施術です。
しかし、忘れてはいけないのが、「筋肉がボリュームダウンした後の皮膚の状態」です。
エラボトックスで筋肉を小さくしたのは良いけど、その分皮膚の中身がなくなり皮膚がたるんでしまう、ということはあり得ることです。
これは、エラボトックスのように筋肉に働きかける施術だけではなく、骨切りなども同様に起こることであり、考えておかなければならない点です。
年齢が若い人がエラボトッスを受けるのであれば、そこまで心配はいりません。
しかし、30台以上のエラ張りが強い人が受ける場合は、皮膚のたるみのことまで考慮してくれる医師に相談する方が無難です。
効果が切れやすいことが副作用
ボトックスは、早くて3ヶ月程度、長くて半年~1年程度でその効果が切れます。
突然切れるのではなく、徐々に筋肉が動かしやすくなっていくような感覚です。
つまり、ボトックスは1度注射すればずっと効果が続くものではなく、望む状態をキープするには受け続けなくてはならなりません。
もしボトックス注射で失敗してしまった場合は、効果が切れるということがメリットになります。
筋肉が動かしにくいと辛いですが、しかし時間と共に軽快していくのであれば、待てば改善していきます。
ただ、失敗していない場合は数ヶ月ごとに注射を繰り返さなくてはならないため、費用・クリニックを受診する時間など都度コストがかかります。
医師によっては、この「切れやすい」ということを副作用として挙げる人もいます。
それくらい、ボトックス注射を繰り返すことは、煩わしいと感じるられているのかもしれません。
抗体ができて効かなくなる可能性がある
ボトックス注射は、一定期間で効果が切れるため、繰り返し受けなければなりません。
しかし実は、繰り返すことで出てくるデメリットも存在します。
ボトッスは、狭い間隔で受けたり、あるいは長い期間継続して受けた場合、体の中で抗体が作られてしまうことがあります。
1度抗体が作られてしまった場合、その後ボトックス注射を受けても、効果が出なくなってしまいます。
シワ治療のために注射しても、一向に筋肉が動きにくくなるという変化を感じず、ただ注射しただけという状態になります。
このような状態にならないためには、医師から指示された間隔を守り、多量のボトックス注射を受けないように注意することが必要です。
もし抗体ができてしまった場合は、ボツリヌストキシン製剤を違うメーカーのものに変更することとなりますが、薬剤を変更して通常通り効果がでるかどうかは、受けてみないことにはわかりません。
最近では、抗体ができにくいボツリヌストキシン製剤も登場していますので、抗体が心配な方はそういったものを選ぶようにしてください。
エラボトックスの副作用が強い場合の対処法
昔は、ボトックス注射で失敗してしまうと、ひたすら時間が経つのを待って、その効果が切れるまで耐えるしかありませんでした。
しかし現在は、ボトックスの効果を早く弱める注射がありますので、失敗した時の対処用が無い訳ではありません。アセチルコリン塩化物という成分を、ボトックスが効いている部分に注射することで、少しずつ動きを回復させます。
しかし、1度注射したら筋肉が動くようになるというものではないため、様子を見ながら数回打つことが必要です。
まとめ
最近では、ボトックス注射は価格も下がり、とても受けやすくなっています。また、注射針も細いものが開発され、痛みも感じにくくなっています。
そのため、たくさんの人が利用しています。たくさんの人が利用しているということは、それだけ安全性も高いということです。
ボトックスは、一度受けるとその効果の虜になってしまう人が多いですが、過度に受けすぎるとデメリットが出てきます。
シワ取り・美肌・小顔・ワキ汗対策・脚痩せ…など、何でもボトックスに頼りすぎることなく、上手に活用することをおすすめします。